オリジナルコントのブログ

オリジナルコントの脚本

コント:セミナー講師と女性司会者


  ツッコミ:三段落下がる行  ボケ:通常の段落の行  ()内は動き、擬音の表現


設定:セミナー講師が、セミナー会場の舞台でパワーポイントを使い公演をしている。


   (ツッコミ セミナー講師):(客席に向かって)えっと最後に…先ほどそこのスー
   ツの方からも質問頂きましたけど、私たちは社会の歯車なんですかって?…いや歯
   車じゃないですよ!人間ですよ!…一人一人に気持ちがあって心がある、かけがえ
   のない人間です! 
   生きる為にお金は必要ですけど、報酬の為だけに仕事してるんじゃない!
   僕らは仕事に魂を込める為に働いてるんじゃ無いでしょうか!皆さんは誰でもでき
   る仕事を、自分じゃなきゃ出来ない天職に変えていって下さい!以上です、本当に
   今日はTETUYAのビジネスセミナーに来て頂いてありがとうございました!!!
(ボケ 女性司会者):ありがとうございました!本当に素晴らしいお話でしたね!(拍手しながら登場)もう一度講師のTETUYAさんに盛大な拍手をお願いします!(パチパチパチパチ♪:拍手)……えーでは、ここからは対談形式でさらにTETUYAさんに成功哲学や成功法則を伺って行きたいと思います。

   (セミナー講師):はい!
TETUYAさん、今著書の方は大体何冊くらい出版されてるんですか?
   (セミナー講師):先月この、学歴なんて関係ねえ!を上梓しまして、これで丁度 
   100冊目で累計販売部数だと300万部位はいきましたね!
すごいですね!そんなにたくさん本が出せる秘訣って何かあるんですか?
   (セミナー講師):まあ僕は人に何かを教えるのが好きですからね。
例えば食事するよりもですか?
   (セミナー講師):そうですね、特に執筆中は集中すると寝食忘れてしまいますよ。
その集中力があるからこれだけたくさんの本を出版出来るんですね!
   (セミナー講師):まあ好きな事ですから。
実は私も先生の本大好きで、先ほど言われた新刊も読まして頂きまして、本を書くのはSEXより気持ちいいってここにも、書いてありますよね!
   (セミナー講師):…ええ、まあそうですよ。
実は私、TETUYAさんのご著書90冊位持ってるんですよ!
   え、そうなんですか!インタビュー受けるから1冊くらいは読んでいて欲しいなっ
   て思ってましたけど、うれしいですねそれは!
はい、大ファンなんです!
   ありがとうございます!
それで、本に書いてある内容でちょっとお聞きしたい事があったんですけど…。
   はい!なんでしょう?
この本に書いてある項目に、ラーメン屋には一番高いスーツで行きなさいとあるんですけど…これは…どうゆう事なんですか?

   …ああそれはですね、(困り気味に)まあそのたとえラーメン屋に行くのであって
   も、きちっとした自分のできる限りの正装をして行かないとラーメンにも失礼です
   よって意味なんですよ。
はあ…。
   まあ強制じゃないですから、嫌ならいいんですけどね…私はラーメン屋でも自分の
   持ってる中で一番高いスーツを着て行くようにしています。
…ん~…いやでも…そんなわけないと思うんですけど…(首を傾げて考え込む)
   …は?
ここには看板を見て急にラーメンが食べたくなって、わざわざ家に帰って30万円もするスーツに着替えてラーメン屋に行ったと書いてありまして…。
   …いやそうですよ?
…そんなわけないですよね?
   は?…何がですか?
だって…なんてゆうか…その……意味がわかんないじゃないですか…(半笑いで)
   いや意味わからないって…まあですから強制ではないので、別に嫌ならやらなくて
   もいいんですよ、ただ僕はこういうスタイルだって話しなんで…。
そうですか…あと、なんかやばいのがこの本に書いてあったんですけど。
   ちょっとやばいってなんですか?
僕はレジでお会計をする時に、払ったお金と定員さんと並んでるお客さん全員にありがとうを伝えるって書いてあるんですけど…これはどういう事なんでしょうか…?
   どうゆう事って、書いてある通り支払ったお金と定員さんと、後ろで待ってもらっ
   てるその店のお客さんに対して感謝を伝えるという事ですけど…。
結構やばいですよねこれ…ほんとにやってるんですか!?
   だからやってますって!そのやばいはなんですか!?肯定じゃない方のやばいです
   か!?皆もやった方がいいと思うからこうやってちゃんと書いてるんですよ!!
あとここには使った公衆トイレは全て、20分間清掃をしてから出ると書いてあるんですけど…。

   それもやってますよ!(急に切れ気味)
まだ何も言ってなかったんですけど…。
   本当にやってるのかって、言いそうだったんで…。
でもちょっと、一般の方だと非現実的な内容かなとも思うんですけど…。
   ですからやらなくてもいいんですよ!僕はやった方がいいと思うんで書いてるだけ
   です!
そうですか…あとこのページなんですけど、まずは30代までに1億円貯金するって書いてありまして、どうやったら1億円貯金出来るか具体的な方法が何も書いてないんですよね。
   …それがなにか?
自力で1億円貯金出来たら誰もこんな本読まないですよね?
   こんなってなんだよ!
あとここですね、お金持ちになるには既にお金持ちになったつもりで振舞うようにする事が大事だ…僕は月給が15万円の時に50万円の時計を買ってたってあるんですけど…。

   だから本当だよ!何だよさっきから!
いや、でも計算が合わない様な気がするんですけど…。
   それは貯金崩したり、ローンしたりして買ったんだよ!大事なのは今お金持ちにな
   ったつもりで行動から変えていく事なんですよ!!
でもローンはするなって別の個所には書いてますよね?
   ほんと何なんだよさっきから!あんた僕のセミナーの司会者じゃないのかよ!
そうは言いましても…ちょっとなんというか、今まで盛っちゃって書いてたなって事ありませんか?
   そんな事無いですよ!読んでくれてるのはうれしいですけど、あなたちょっと失礼
   ですね!
そうですか、失礼しました…あと、極めつけがここなんですけど…。
   極めつけってなんだよ!?
お金持ちになる為にはお金の執着を捨てる事が大事、その方法は1万円札を目の前で燃やす事って書いてまして、これなんかもうページ増やす為にやけくそで書いた様なネタなんですけど…。
   まずネタじゃないから!お金持ちになる為にお金に対する執着を捨てる事が大事 
   で、その為に1万円札を目の前で燃やすって事ですよ!!

TETUYAさんはそれをやって本当にお金持ちになったんですか?
   効果があったと思うから書いてるんですよ!
そんなわけねーだろ!!!!(急にぶち切れる)…SEXの方が気持ちいいに決まってるだろ…。
   …えっ…そこ!?(驚く)
適当な事ばっかり言うんじゃないよ!…この本はね…本当は…私の弟の本なんだよ!
   弟…!?

弟はあんたの大ファンでね、毎日あんたの本の心に刺さった個所を私に教えてくれたよ、レジではありがとうございましたと大声で言い、ラーメン屋にはスーツで行き、家中の1万円札を燃やし、50万円の時計を5つも買ってこっちはカード破産だよ!!!
   いや、だから限度ってもんが…。
だったら書くなよーー!!!限度が分からない奴でも、誤解しないように、丁寧に説明しなさいよ!まったく!!(泣く)…もううちはアンタの所為で家庭崩壊だよ、どうしてくれるんだよ!!!
   え…?
皆さん!…嘘なんですよ!…こいつが言ってること全部!…こいつは成功哲学のセミナー講師じゃない!ただのペテン師だ!!(客席に向かって)
   そ、そんな事は無い、毎月私の本で人生が変わったって手紙ももらっている!確か
   に多少大げさには書いたが…。
書いてんじゃねーかよ!
   売れねーんだよ!大げさに書かなきゃ!!(逆切れ)
…とうとう言いやがったな。
   読者はすぐに成功法則とやらに飛びつく…そのくせ立ち読みして文章が長かった
   り、本がぶ厚かったりすると、すぐ読む気をなくすんだ…だから短い文章で印象に
   残る文面じゃなきゃ売れねーんだよ!!
あんた最低だ…。
   そんな簡単に理解できる成功法則があったら、日本中大富豪だらけだよ!
…ラーメン屋にスーツで行くのは本当ですか?
   あれは…ただ…ページの埋め合わせに書いただけだ…。
本当は?
   家に呼ぶ…。
え?
   家に職人を呼んで作らせる…。
うわっ!聞きましたか皆さん!家に麺職人を呼んで作らせるそうですよ!

   でもみんな聞いてくれ!確かに編集が100項目も出せなんて言うから中には適当に
   書いた個所もあるけど、ほとんどは噓じゃない!本当に成功法則を書いているだ!
そもそも人生ってそんなに成功しないといけないんですか!?絶対金持ちにならないと駄目なんですか!?そうじゃない…そうじゃないですよ!…人生は自分で自由に何に価値があるのかを決められる筈でしょ!!!(客席に向かって言う)
   そうそうその通り!僕も実はそう思ってました! 
あんたの言う事なんて今更信じられるか!……えっ!?あ…け…ケイタ?き…来てたの?(客席に弟を見つける)
   ん?え…あれ、もしかして、あんたの弟さん?
先生のおかげで…夢が見つかった?だから…先生の悪口言うの…やめてくれって…何よ?夢って…何?………ハイパーメディアクリエーター!?…

殺す!(講師の首を絞める)
   うわーーーー!!!!
終わり。