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コント 沈没船


         ボケ:三段落下がる行 ツッコミ:通常の段落の行 乗員:六段下がる行 
                                                                                         ()内は動き、擬音の表現

      (乗員):もうすぐ沈没するぞー!早く救命ボートに乗れーー!!
ツッコミ(船長):おい!客は全員避難させたか?
          (乗員):はい船長!全員避難させました!あとは我々だけです!
(船長):そうか、よくやった…まさかこの…世界最大の豪華客船が処女航海で沈没するなんて…。
      (乗員):はい…非常に残念ですが恐らくはあと15分程で沈没します、早
      く船長も救命ボートにお乗り下さい!

(船長):分かった…私は船長として最後の見回りをして来る、お前は先に乗れ。
      (乗員):…分かりました、ですが船長もなるべく早くお願いしますよ。
(船長):分かってる…(甲板を見回す船長)よし…もう誰もいないな…あ、そうだ!航海日誌を船長室に忘れてきた、もしかしたら後で今回の事故の原因が詳細に分かるかもしれない…まだ時間もある…よし取りに行くか…。


      (船長が船長室まで行く:カンカンカンカン♪)

(船長):ん?…何だお前は!?
    ボケ(端臨時アルバイト):あ!船長!
(船長):その服は…下っ端船員の!…お前今回臨時で募集したアルバイトだな…。
   (臨時アルバイト):お、お疲れさまです!
(船長):お疲れ様ですじゃないだろ!こんな所で何をやってるんだ!!
   (臨時アルバイト):俺…子供の頃からずっと…船の乗組員になりたかったんです…
   この船の船員になれて俺…本当に良かったです…本当は…本当はもっともっと…こ
   の船で色んな場所へ行きたかったんですけど…。
(船長):…何言っているんだお前は!?早く救命ボートに乗りなさい!
   (臨時アルバイト):お客様はもう全員避難されたんですか?
(船長):ああ全員避難したよ!もうこの船には我々しかいないぞ!あと10分くらいで沈む、さっさと救命ボートに乗れ!!
   (臨時アルバイト):はぁ良かった…お客様は全員避難出来たんですね…。
(船長):…だから何だその考えにふけってる感じは!早く救命ボートに乗れって言ってるだろ!
   (臨時アルバイト):船長も早く逃げて下さい…。
(船長):だからお前もな!もう早くしろよ!
   (臨時アルバイト):俺は…俺は…この船と共に海の底に…沈みます…。
(船長):は!?何言ってんだお前…!?
   (臨時アルバイト):今回の事故…誰かが責任を取らなければなりません…それなら
   僕が取ります…。
(船長):いやお前が一番取らなくていいよ!
   (臨時アルバイト):今回の事故は…本当は…全部俺のせいなんです!
(船長):…ん?いやそんな事はない!お前程度のアルバイトが何かミスしたからってこの船は沈没なんかしない!
   (臨時アルバイト):いや!絶対俺のせいなんです!
(船長):分かった…分かったから落ち着いて話してみろ…お前何をしたんだ?
   (臨時アルバイト):昨日、相部屋の奴にすっきりするぞって言われて、1本だけタ
   バコもらって…それで初めて吸ってみたんです…。
(船長):おう、そうか…。
   (臨時アルバイト):通ってた学校だと、クラスの友達はほとんど吸ってたんですけ
   ど…俺だけは吸いませんでした…。
(船長):うん、それで?
   (臨時アルバイト):今朝甲板に出て、一人で吸ってたら吸い方悪かったのか、急に
   何かむせちまって。

(船長):うん…。
   (臨時アルバイト):それでなんか、ムカついて…俺…船の甲板から海に、吸い殻を
   投げ捨てちまったんです…。
(船長):うん、それで?
   (臨時アルバイト):…多分それが原因なんじゃねーのかなって…。
(船長):…嘘でしょ?全然関係ねーよ!一応聞いてみたけどかすりもしねーよ!!
   (臨時アルバイト):えぇ!?
(船長):クソゴミ見てーな話で貴重な時間使いやがってよ!
   (臨時アルバイト):そんな!?船長気使って嘘言わないで下さいよ!!
(船長):嘘じゃねーよ!吸い殻を海に捨てるって事は、まぁ別に褒められた事じゃないけど、そんなんでこんな馬鹿でかい船が沈没するかよ!
   (臨時アルバイト):…ほんとですか?
(船長):なんだよその目は!お前の疑う気持ちが理解できないよ!
   (臨時アルバイト):…はぁ…良かった…。
(船長):お前ら末端には知らされてなかったか?実は船が氷山にぶつかったのが原因なんだ!だから早くボートに乗れ!

   (臨時アルバイト):でも誰かが責任取らないと…。
(船長):取るとしても絶対お前じゃないんだよ!
   (臨時アルバイト):…え!?
(船長):どっちかって言ったら俺なんだよ!責任あるのは!!
   (臨時アルバイト):え?船長が原因なんですか?
(船長):いや俺が直接って訳じゃないけど、お前よりは確実に俺の方が責任あるだろ!
   (臨時アルバイト):…そうなんですか?
(船長):当たり前だよ!俺船長だよ!?分かってる!?
   (臨時アルバイト):そうでしたか…。
(船長):臨時雇いのアルバイトごときが責任感じる事無いんだよ!
   (臨時アルバイト):はぁ…。
(船長):逆にこっちは助かる気満々だから恥ずかしいわ!もうさっさと救命ボートに乗れよ!!
   (臨時アルバイト):…なんかこうしてると…水の音が聞こえてくる…。
(船長):その感じ鼻につくからやめろって!俺だって助かりたいけど、お前が救命ボート乗らないと俺も乗れないんだよ!
   (臨時アルバイト):一人にはさせないよ…。
(船長):何壁触って物思いにふけってんだよ!臨時雇いなんだからお前そんなにこの船に思い入れとかないだろ!!
   (臨時アルバイト):俺は…この船と共に…沈みます…。
(船長):それは船長のセリフなの!何で?お前バイトじゃん!?
   (臨時アルバイト):役職や乗ってた時間なんて関係ないですよ!
(船長):あのな…お前初めての航海なんだろ?本当はまだまだこれから沢山いろんな船に乗って、世界中を航海出来るじゃねーか!今死ぬなんてもったいないよ!
   (臨時アルバイト):でももう決めた事なんで…。
(船長):そんな事したらきっと後悔するぞ!
   (臨時アルバイト):え?もしかしてまだこの船動くんですか!?
(船長):いやその後悔じゃ無くて、悔いが残るぞって意味だよ!
   (臨時アルバイト):でも、仲間を一人で見殺しになんて出来ませんよ!
(船長):所詮物だろ!船は!
   (臨時アルバイト):俺…船には何かしらの魂が宿ると思うんです…。
(船長):最初の航海でそんなすぐに宿るかな!?それベテラン船員が言うセリフだしさ!
   (臨時アルバイト):俺…そうゆうの何となく分かるんです…。
(船長):もういいそれなら力ずくで連れてくからな!(船長が臨時アルバイトの腕を掴む)
   (臨時アルバイト):ちょっと待って!痛っ!
(船長):ん?どうした!?
   (臨時アルバイト):実は…物置に挟まれてて…。
(船長):え!?大丈夫か!?…足か!?そうか、もしかして足が物置に挟まれてて、それで抜けなくなっているのか!?おい!?
   (臨時アルバイト):ズボンが…物置に…挟まれてて…。
(船長):切れ切れ切れ切れ!!そんなズボン切るか破るかしろよ!
   (臨時アルバイト):でも初めてもらった乗組員の作業服だったんで…。
(船長):そんなもん助かったら何枚でもやるから早く切っちまえよ!
   (臨時アルバイト):ほんとですか!?
(船長):助かったら臨時のアルバイトじゃなくて、正式に乗組員として採用してやるから早く来い!
   (臨時アルバイト):分かりました!有難う御座います!(ズボンを破る)


      (2人で甲板へ出る:カンカンカンカン♪)


(船長):ほら、あそこに救命ボートがあるからお前から先に乗れ!
   (臨時アルバイト):船長ダメです!救命ボート一個しかありません!
(船長):…なに個室希望!?いいだろ一個に2人で乗れば!
   (臨時アルバイト):あの俺…寝相凄く悪いですけど大丈夫ですか?
(船長):どうでもいいよ!お前ずっとどうでもいい事しか言ってないよ!!
   (臨時アルバイト):…すいません。
(船長):こっから先も油断出来ないんだからな!いいか助かる事だけ考えろ!
   (臨時アルバイト):はい!
(船長):今回の事故はまぁ…悲しい事だったけど、これからもお前の航海はずっと続いていくんだ!こんな所で終わらせちゃダメなんだよ!
   (臨時アルバイト):はい!船長…有難う御座います!(涙ぐむ)
(船長):俺もまさかパーティを楽しんでる最中に氷山にぶつかるなんて思ってなかったからよ…。

   (臨時アルバイト):え?…今なんて言いました?
(船長):ん?だから下っ端の臨時アルバイトだけ残して、パーティで酒飲んでたんだよ…まさかそんな時に氷山にぶつかるなんてな…ついてねーよほんと…。
   (臨時アルバイト):アルバイトだけ残して、パーティで酒飲んでた!?それちょっ
   とどうゆう事ですか!?
(船長):だから臨時のアルバイトに監視もさせてたんだよ、そしたらそのバイトが居眠りしやがってよ…。
   (臨時アルバイト):は!?じゃあ船長…今回の事故…ひょっとして貴方のせいじゃ
   ないですか!?
(船長):ん?何が?
   (臨時アルバイト):今回の沈没はほとんど貴方が原因ですよ!!
(船長):…ん~?そ~かな~、俺はそんな事無いと思うけど…。
   (臨時アルバイト):うわ…こわ…!!!
(船長):…何が?
   (臨時アルバイト):うわ…何だこれ…初めてのパターンだ!…ずっと俺の方がおか
   しい奴だと思ってましたけど、これは船長の方がおかしいパターンだ!どんでん返
   しパターンだ!!
(船長):だってさぁ…パーティ…行きたいじゃん?
   (臨時アルバイト):はい!?
(船長):人が遊んでる時に働くのって俺一番嫌いなんだよね…。
   (臨時アルバイト):何言ってんですか!?
(船長):俺がパーティ行くって言ったら、他の奴らも行きたい、行きたいって、なんかぞろぞろ集まってきやがってよ…まぁ可愛そうだから連れてってやったけど、まさか臨時雇いのアルバイトに監視もさせるなんてなぁ…。
   (臨時アルバイト):あんた最低だ!そもそも船を物と言ってしまえる貴方は、船長
   になるべき人じゃ無かったんだ!!
(船長):そんな事言うなよ…せっかく助けてやったのによ…(船長がバイトの肩を掴む)
   (臨時アルバイト):やめろ離せ!助かったらあんたらの事全部告発してやる!
(船長):そんなぁ…これから救助が来るまで俺達2人で協力していかなきゃいけないんだぜ…。
   (臨時アルバイト):うるさい!お前なんかと誰が協力するか!!
(船長):告発なんてされたら困るな…おい…な!!(バイトを押し出す)
   (臨時アルバイト):わっ!わっ!やめろ!押すな!あ゛!あ゛!あ゛!
(船長):告発なんてしないよな…?
   (臨時アルバイト):わ゛!やめろ!この事だって言ってやるからな!!
(船長):やっぱお前の事…助けるんじゃ無かったわ!!(ドン♪ バイトを海に突き飛ばす)
   (臨時アルバイト):うわっーーーー!!!!(バイトが海に落ちる ボチャン♪)
たっぷりこうかいしろよ…。




終わり。