オリジナルコントのブログ

オリジナルコントの脚本

コント:訪問販売


ボケ:三段落下がる行 ツッコミ:通常の段落の行 ()内は役、動き、擬音の表現


   ボケ(セールスマン):(ピンポーン♪)
ツッコミ(客):…はーい。
   (セールスマン):あの御免下さい。
(客):はい…ガチャ♪
   (セールスマン):あ、お休みのところどうもすいません。
(客):は…い…あれなんですか?
   (セールスマン):あの、私こうゆう者でして…。(名刺を渡す)

(客):はい…え?なんですか?訪問販売ですか?
   (セールスマン):まあそうです、はい。
(客):…なんかこうゆうの今どき珍しいですね。
   (セールスマン):そうですかね、まぁあの今この地域のオートロックじゃないマン 
   ションを狙って営業してます。

(客):…いやそうゆう事言わない方が良いですよ?…あのちゃんと管理会社の許可とか取ってるんですか?
   (セールスマン):…えぇ…まあ…はい…。
(客):本当に取ってます?
   (セールスマン):はい、ちゃんと取ってますよ。
(客):そうですか…でもまあ俺独身の一人暮らしなんで多分いらないと思うんで、あの悪いですけど他行ってもらえます?
   (セールスマン):いやでもちょっとあの商材だけでもご紹介させて下さい!お願い
   します!
(客):いや見てないですけど多分いらないですって、どうせ新聞とかでしょ?
   (セールスマン):いえ違います!
(客):いや、でもいらないんでいいです、あの今忙しいんで…。
   (セールスマン):なら当ててみて下さい!!
(客):…は?
   (セールスマン):当てられたら今回は直ぐにお引き取り致します。
(客):え?…何言ってんですか?
   (セールスマン):当てられたという事はお客様の想像を…ご想像を!超えていない 
   くそ商材という事ですので、直ぐにお引き取り致します!

(客):別に想像を超えたからって買うとは限らないけど…じゃあまぁ何?浄水器とか?空気清浄機とか?
   (セールスマン):いえ違います!
(客):じゃあ保険関係?
   (セールスマン):全く違います!!
(客):…もうならあれか、教育関係とかか?
   (セールスマン):もう全っ然違います!!!(どや顔)
(客):言い方ムカつかなぁあんた、もういいよ、どうせいらないからもうさっさと帰ってよ!
   (セールスマン):すいません…では一言だけ言わせて下さい!これであなたの人生
   が変わるかもしれません!!
(客):え?…人生が変わる…?
   (セールスマン):はい…それでは私はこれで、じゃあ…。(帰ろうとする)
(客):…おいちょっと待てよ!…何だよ…んじゃあまぁちょっと気になるから、さわりだけぱっと簡単に聞かせてよ。
   (セールスマン):はい、有難う御座います!この度ご紹介させて頂きたい商材がこ
   ちらでして(鞄の中を見せる)
(客):ん?ちっさ…なんですかこれ?
   (セールスマン):これは1テラバイトのマイクロチップです。
(客):マイクロチップ?

   (セールスマン):はい!
(客):これを…売ってんの?
   (セールスマン):はい!
(客):は?いやそりゃ、そんなの当たらないよ…。
   (セールスマン):想像を超えられましたか?
(客):いや超えたっちゃ超えたけどさ、何か気持ち悪い超え方だよ?
   (セールスマン):ですが今回はこれで終わりでは無いんです!
(客):え!?
   (セールスマン):ただこのマイクロチップを購入して頂くだけでは無く、我社では
   このマイクロチップを脳に埋め込む手術まで込みでご対応させて頂いております!
(客):脳に埋め込む?これを?

   (セールスマン):はい!込々です!!
(客):込々?え、どうゆう事?なんで脳にこれを埋めるの?
   (セールスマン):はい!このチップを脳に埋めれば、チップに入れたデータを脳で
   読み取ってご自身の記憶媒体として見る事が出来ます!
(客):ん!?なにそれ、どうゆう事!?
   (セールスマン):例えば映像でも読んだ事無い文章でも、行った事無い場所や、し
   た事無い体験でも何でも、自分が経験したように思い出せるんです!

(客):…うん。
   (セールスマン):ですのでどんな難しい資格試験でも、辛い勉強をしてわざわざ記
   憶する必要なんて無いんです!これならどんな難関な試験にだって簡単に受かるんで
   すよ!!
(客):…え?ほんとに!?
   (セールスマン):はい!お客様が何度も味わってきたあの試験に落ちる絶望感を、
   もう2度と感じ無くて済むんです!

(客):あの絶望感を…いや何勝手に決めつけてんだよ!
   (セールスマン):あ、すいません。
(客):てゆうか凄いなんて言うか商材だな…。
   (セールスマン):はい、これは飛び込みの訪問販売しか無いと思いました!
(客):…そう…でもそれ本当に大丈夫なの?
   (セールスマン):安心して下さい!まだ日本国で承認されてない医療技術を駆使し
   ますので、試験会場でライバルは現れません!
(客):は?
   (セールスマン):あの駅についてから会場に行くまでの間に「こいつ頭良さそう」
   とか、「こんなに沢山受けんの?」みたいな気持ちは2度とお客様には味あわせませ
   ん!
(客):いや試験のライバルの話じゃなくてさ!
   (セールスマン):ええ!?
(客):なんでさっきから俺が試験で苦しんできたと思い込んでんだよ!
   (セールスマン):…違うんですか!?
(客):なんだよその信じ切ってる目は…失礼だろ?
   (セールスマン):はい、すいません。
(客):ほら衛生的にっていうか医学的にさ…全然聞いた事無いし…。
   (セールスマン):…先程も言いましたが、まだ日本国を含めどの国でも確立されて
   無い医療技術ですので、手術出来るプロの医者は世界中に一人もおりません。
(客):さっきから日本国って何だよその言い方気持ちわりーなぁ!…は?じゃあ手術とかどうすんだよ!
   (セールスマン):当社でアマチュアの脳外科医を複数人確保しておりますので、そ
   の方々に手術は行って頂きます。
(客):アマチュアの脳外科医って何だよ!それやばい奴だろ!!
   (セールスマン):いえ、私もお会いした事あるのですが、皆さん大変気さくな方で
   して。

(客):気さくって何だよ!
   (セールスマン):ユーモアがあってお話し好きでした!
(客):一番どうでもいいよ!もし失敗した時はどうすんだよ!保証とかは!?
   (セールスマン):…安全性への保証は出来兼ねます!!
(客):…嘘?…おうおうはっきりと言ったよこいつ…逆に清々しいな…。
   (セールスマン):医師たちは皆一所懸命頑張ってますが、手術用ベットや麻酔薬の
   確保、メス、糸、針の消毒が不十分で雑菌が残っている可能性もありますし…。

(客):そこ!?その準備段階はもう悠々と超えてもらわないと!何が一生懸命だよ!!
   (セールスマン):お客様!一所懸命です!!
(客):…うるさいよ!…さすが無免許医師団だよ。麻酔なしでどうやって手術すんだよ!
   (セールスマン):…ですが動物実験では、成功率70%を超えてます!
(客):いやいやえ!?20%以上失敗するの!?失敗とかあんの!?失敗したらどうなんの!?
   (セールスマン):失敗したら…あ…あんな事が…人間で…起こったら…はぁ…は
   ぁ…あ゛ーーーーーー!!!!!(頭を抱える)
(客):何っ!!??
   (セールスマン):ですがまだ人間の脳に埋め込む手術は、どの国でも成功例はあり
   ません!
(客):はい!?会話が噛み合ってない!何言ってんですか!?
   (セールスマン):逆に今ならお客様が世界初の人間になれるんです!今までそんな
   ご経験無かったですよね!?

(客):うるさいよ!なんだよ逆にって!
   (セールスマン):ああすいません…。
(客):ちょっとなんの営業だよさっきからこれ!!
   (セールスマン):しかも今ならキャンペーン中で30万円の手術費用が、19万8
   千円で出来るんです!込々です!!
(客):それ言いたいだけだろ!ほとんど人体実験のくせに金取んのかよ!!安くなる感じも何か怪しいしさ…。

   (セールスマン):あのまぁ一応こちらも、ビジネスでやってるんで…。(馬鹿にし
   た感じで)
(客):あんたも逆によくこんな訪問販売やる気になったよな!絶対に売れないよこんな営業!!
   (セールスマン):今すぐご決断すべきです!
(客):何を!?え?今クーロージング?
   (セールスマン):…あのちなみになんですけど、お買い物のお支払い方法などは普
   段どうなさってますか?
(客):そんなの現金かクレジットカードだけど。
   (セールスマン):なら良かったです、電子マネーの機能もチップに付けられますの
   で、おでこを近づけるだけでお支払いが出来ます!

(客):何が良いんだよ!嫌だよそんなおでこ近づけて会計するなんて!
   (セールスマン):電車もそれで乗れます!
(客):PASMOおでこに移植しただけじゃねーかよ!
   (セールスマン):ただ、まだ技術的な問題でチャージ機能はございませんので、1
   万円分の電子マネーがチャージされたチップを、チャージする度に脳に移植して頂く
   必要があります。
(客):だから誰がそんな事すんだよ!!電子マネーなのに物理的なほんとのチャージじゃんかよ! 脳がチップだらけになるよ!
   (セールスマン):1万円分のチップ以外には1億円分のチップもあるので、それな
   ら1億円+手術代でチャージ可能です。
(客):誰が電子マネーで1億持ち歩くんだよ!使いきる前に死ぬわ!
   (セールスマン):そうですか…。
(客):もういいから早く帰ってくれよ!気持ちわりぃ…。
   (セールスマン):わかりました、どうやらこの度の商材はお客様の認識レベルをは
   るかに超えていたようです。
(客):だからムカつく言い方すんなよ!
   (セールスマン):ああニーズですね、ニーズを超えていたようです。
(客):そうだよ!
   (セールスマン):最後に、これから世界中の人達が脳にチップを埋め込む時代が必
   ずやってきます、今月までしかキャンペーン価格での手術はやってないのですが本当
   に大丈夫ですか?
(客):大丈夫だよ、てゆうかあんたはやってんのかよ!
   分かりました、では今回は出直してきます。
(客):やってねーのかよ!
   次回からはお客様のニーズに合った商品を考え、ご提供出来るように善処致しま
   す。
(客):もう来なくていいから。
   あ、確かまだ…あったあった…あのこの正露丸なんてどうでしょう?
(客):Amazonで買うわ!!!

コント:セミナー講師と女性司会者


  ツッコミ:三段落下がる行  ボケ:通常の段落の行  ()内は動き、擬音の表現


設定:セミナー講師が、セミナー会場の舞台でパワーポイントを使い公演をしている。


   (ツッコミ セミナー講師):(客席に向かって)えっと最後に…先ほどそこのスー
   ツの方からも質問頂きましたけど、私たちは社会の歯車なんですかって?…いや歯
   車じゃないですよ!人間ですよ!…一人一人に気持ちがあって心がある、かけがえ
   のない人間です! 
   生きる為にお金は必要ですけど、報酬の為だけに仕事してるんじゃない!
   僕らは仕事に魂を込める為に働いてるんじゃ無いでしょうか!皆さんは誰でもでき
   る仕事を、自分じゃなきゃ出来ない天職に変えていって下さい!以上です、本当に
   今日はTETUYAのビジネスセミナーに来て頂いてありがとうございました!!!
(ボケ 女性司会者):ありがとうございました!本当に素晴らしいお話でしたね!(拍手しながら登場)もう一度講師のTETUYAさんに盛大な拍手をお願いします!(パチパチパチパチ♪:拍手)……えーでは、ここからは対談形式でさらにTETUYAさんに成功哲学や成功法則を伺って行きたいと思います。

   (セミナー講師):はい!
TETUYAさん、今著書の方は大体何冊くらい出版されてるんですか?
   (セミナー講師):先月この、学歴なんて関係ねえ!を上梓しまして、これで丁度 
   100冊目で累計販売部数だと300万部位はいきましたね!
すごいですね!そんなにたくさん本が出せる秘訣って何かあるんですか?
   (セミナー講師):まあ僕は人に何かを教えるのが好きですからね。
例えば食事するよりもですか?
   (セミナー講師):そうですね、特に執筆中は集中すると寝食忘れてしまいますよ。
その集中力があるからこれだけたくさんの本を出版出来るんですね!
   (セミナー講師):まあ好きな事ですから。
実は私も先生の本大好きで、先ほど言われた新刊も読まして頂きまして、本を書くのはSEXより気持ちいいってここにも、書いてありますよね!
   (セミナー講師):…ええ、まあそうですよ。
実は私、TETUYAさんのご著書90冊位持ってるんですよ!
   え、そうなんですか!インタビュー受けるから1冊くらいは読んでいて欲しいなっ
   て思ってましたけど、うれしいですねそれは!
はい、大ファンなんです!
   ありがとうございます!
それで、本に書いてある内容でちょっとお聞きしたい事があったんですけど…。
   はい!なんでしょう?
この本に書いてある項目に、ラーメン屋には一番高いスーツで行きなさいとあるんですけど…これは…どうゆう事なんですか?

   …ああそれはですね、(困り気味に)まあそのたとえラーメン屋に行くのであって
   も、きちっとした自分のできる限りの正装をして行かないとラーメンにも失礼です
   よって意味なんですよ。
はあ…。
   まあ強制じゃないですから、嫌ならいいんですけどね…私はラーメン屋でも自分の
   持ってる中で一番高いスーツを着て行くようにしています。
…ん~…いやでも…そんなわけないと思うんですけど…(首を傾げて考え込む)
   …は?
ここには看板を見て急にラーメンが食べたくなって、わざわざ家に帰って30万円もするスーツに着替えてラーメン屋に行ったと書いてありまして…。
   …いやそうですよ?
…そんなわけないですよね?
   は?…何がですか?
だって…なんてゆうか…その……意味がわかんないじゃないですか…(半笑いで)
   いや意味わからないって…まあですから強制ではないので、別に嫌ならやらなくて
   もいいんですよ、ただ僕はこういうスタイルだって話しなんで…。
そうですか…あと、なんかやばいのがこの本に書いてあったんですけど。
   ちょっとやばいってなんですか?
僕はレジでお会計をする時に、払ったお金と定員さんと並んでるお客さん全員にありがとうを伝えるって書いてあるんですけど…これはどういう事なんでしょうか…?
   どうゆう事って、書いてある通り支払ったお金と定員さんと、後ろで待ってもらっ
   てるその店のお客さんに対して感謝を伝えるという事ですけど…。
結構やばいですよねこれ…ほんとにやってるんですか!?
   だからやってますって!そのやばいはなんですか!?肯定じゃない方のやばいです
   か!?皆もやった方がいいと思うからこうやってちゃんと書いてるんですよ!!
あとここには使った公衆トイレは全て、20分間清掃をしてから出ると書いてあるんですけど…。

   それもやってますよ!(急に切れ気味)
まだ何も言ってなかったんですけど…。
   本当にやってるのかって、言いそうだったんで…。
でもちょっと、一般の方だと非現実的な内容かなとも思うんですけど…。
   ですからやらなくてもいいんですよ!僕はやった方がいいと思うんで書いてるだけ
   です!
そうですか…あとこのページなんですけど、まずは30代までに1億円貯金するって書いてありまして、どうやったら1億円貯金出来るか具体的な方法が何も書いてないんですよね。
   …それがなにか?
自力で1億円貯金出来たら誰もこんな本読まないですよね?
   こんなってなんだよ!
あとここですね、お金持ちになるには既にお金持ちになったつもりで振舞うようにする事が大事だ…僕は月給が15万円の時に50万円の時計を買ってたってあるんですけど…。

   だから本当だよ!何だよさっきから!
いや、でも計算が合わない様な気がするんですけど…。
   それは貯金崩したり、ローンしたりして買ったんだよ!大事なのは今お金持ちにな
   ったつもりで行動から変えていく事なんですよ!!
でもローンはするなって別の個所には書いてますよね?
   ほんと何なんだよさっきから!あんた僕のセミナーの司会者じゃないのかよ!
そうは言いましても…ちょっとなんというか、今まで盛っちゃって書いてたなって事ありませんか?
   そんな事無いですよ!読んでくれてるのはうれしいですけど、あなたちょっと失礼
   ですね!
そうですか、失礼しました…あと、極めつけがここなんですけど…。
   極めつけってなんだよ!?
お金持ちになる為にはお金の執着を捨てる事が大事、その方法は1万円札を目の前で燃やす事って書いてまして、これなんかもうページ増やす為にやけくそで書いた様なネタなんですけど…。
   まずネタじゃないから!お金持ちになる為にお金に対する執着を捨てる事が大事 
   で、その為に1万円札を目の前で燃やすって事ですよ!!

TETUYAさんはそれをやって本当にお金持ちになったんですか?
   効果があったと思うから書いてるんですよ!
そんなわけねーだろ!!!!(急にぶち切れる)…SEXの方が気持ちいいに決まってるだろ…。
   …えっ…そこ!?(驚く)
適当な事ばっかり言うんじゃないよ!…この本はね…本当は…私の弟の本なんだよ!
   弟…!?

弟はあんたの大ファンでね、毎日あんたの本の心に刺さった個所を私に教えてくれたよ、レジではありがとうございましたと大声で言い、ラーメン屋にはスーツで行き、家中の1万円札を燃やし、50万円の時計を5つも買ってこっちはカード破産だよ!!!
   いや、だから限度ってもんが…。
だったら書くなよーー!!!限度が分からない奴でも、誤解しないように、丁寧に説明しなさいよ!まったく!!(泣く)…もううちはアンタの所為で家庭崩壊だよ、どうしてくれるんだよ!!!
   え…?
皆さん!…嘘なんですよ!…こいつが言ってること全部!…こいつは成功哲学のセミナー講師じゃない!ただのペテン師だ!!(客席に向かって)
   そ、そんな事は無い、毎月私の本で人生が変わったって手紙ももらっている!確か
   に多少大げさには書いたが…。
書いてんじゃねーかよ!
   売れねーんだよ!大げさに書かなきゃ!!(逆切れ)
…とうとう言いやがったな。
   読者はすぐに成功法則とやらに飛びつく…そのくせ立ち読みして文章が長かった
   り、本がぶ厚かったりすると、すぐ読む気をなくすんだ…だから短い文章で印象に
   残る文面じゃなきゃ売れねーんだよ!!
あんた最低だ…。
   そんな簡単に理解できる成功法則があったら、日本中大富豪だらけだよ!
…ラーメン屋にスーツで行くのは本当ですか?
   あれは…ただ…ページの埋め合わせに書いただけだ…。
本当は?
   家に呼ぶ…。
え?
   家に職人を呼んで作らせる…。
うわっ!聞きましたか皆さん!家に麺職人を呼んで作らせるそうですよ!

   でもみんな聞いてくれ!確かに編集が100項目も出せなんて言うから中には適当に
   書いた個所もあるけど、ほとんどは噓じゃない!本当に成功法則を書いているだ!
そもそも人生ってそんなに成功しないといけないんですか!?絶対金持ちにならないと駄目なんですか!?そうじゃない…そうじゃないですよ!…人生は自分で自由に何に価値があるのかを決められる筈でしょ!!!(客席に向かって言う)
   そうそうその通り!僕も実はそう思ってました! 
あんたの言う事なんて今更信じられるか!……えっ!?あ…け…ケイタ?き…来てたの?(客席に弟を見つける)
   ん?え…あれ、もしかして、あんたの弟さん?
先生のおかげで…夢が見つかった?だから…先生の悪口言うの…やめてくれって…何よ?夢って…何?………ハイパーメディアクリエーター!?…

殺す!(講師の首を絞める)
   うわーーーー!!!!
終わり。

コント  臨終


通常の行:ボケ 三段下がる行:ツッコミ  娘:サトコ  ()内:動きや擬音の表現


舞台、設定:老人が病室で寝ている。 


登場人物:老人、老人の娘(サトコ)、死神。


   老人(ツッコミ):ああ…とうとう私にも臨終の時が来たか…今まで心の底から
   悔いは無いと思える様な…そんな素晴らしい人生を歩めて本当に良かった…仕事に
   も家族にも友人にも恵まれて…これでもう…いつでも穏やかに行ける…。
死神(ボケ):(ガチャ)よう、じいさん…。(ドアを開け死神が入ってくる)
   (老人):な、なんだあんたは…!?
死神:俺か?…俺は…死神だ。
   (老人):死神?死神だと!?

死神:ああそうだ、信じられるか分からないが…まああんたにしか見れてない訳だから、信じるしか無いか…。
      娘:(コンコン、ガチャ)あら父さん起きたの?(娘が入ってくる)
   (老人):サ、サトコ!!
      娘:なに驚いてるの?さっきお土産で頂いた梨でもむいてあげようかなって
      思って…。
   (老人):い、いや!
      娘:あら、リンゴの方が良かったかしら?
   (老人):いや!そうじゃなくて…おい!そ、そんな事より、こ、こいつが…。
      娘:ん…?
   (老人):お前にはこいつが見えないのか!!??
      娘:え!?何!?誰かいるの!?
   (老人):いるだろうここにっ!!!
      娘:…え?何も見えないけど…。
(死神):無駄だ、俺の姿はあんたにしか見えない。
   (老人):……そ、そうか…サトコ悪かった、父さんちょっと目の錯覚を起こして
   たみたいだ。
      娘:目の錯覚?それはそれで心配よ…?
   (老人):錯覚って言うかあれだ、びっくりさせようと思って嘘ついたんだ、どう
   だおい?驚いたか!?
      娘:え!?ええまあ…色んな意味で…。
   (老人):サトコ…悪いんだがちょっとしばらく一人にしてくれないかな?
      娘:いいけど、本当に大丈夫?
   (老人):ああ、大丈夫だ…。
      娘:分かった…ちょうど家に着替えを取りに行こうかなって思ってたところ
      なの、何かあったら看護婦さん呼んでね。
   (老人):ああ、分かってる。
      娘:それじゃあ。(ガチャ♪ 娘が病室から出ていく)
(死神):人払いご苦労、どうやら俺が死神だって分かって貰えたようだな…。
   (老人):ああ…で、その死神が私に何の用だ?もしかして、私を天国にでも連れ
   ていくつもりか?
(死神):ふっ、地獄って可能性は考えねーのかよじいさん。
   (老人):私は今まで地獄に落ちる様なひどい事をした覚えはない!もし死後の世
   界があるとすれば必ず天国に行くはずだ!!そもそもどうして天使じゃなくて死神
   なんだ!!!
(死神):まあそう焦んなって、別に今すぐあんたを地獄に連れていく為に来たわけじゃない、もちろん天国にもだ。
   (老人):はぁ…良かったぁ…。
(死神):でも、死期が近いことは認識してるよな?
   (老人):…ああ…分かってる…来年の桜はもう見れんだろう…。

(死神):へへ…桜はおろか、じいさんあと3日で死ぬぜ…。
   (老人):何!?あと3日!?
(死神):言わない方が良かったか?
   (老人):そりゃそうだろ!誰が好き好んで自分の死ぬ日を知りたいと思う!!
(死神):まあ、それもそうだな…。
   (老人):家族や知人に最後の別れを伝えられるのは良いが…で貴様はそんな事を
   伝えに来たのか!!
(死神):ああ…。
   (老人):なぜわざわざそんな事を!?
(死神):どうだじいさん、80年近く生きてきて、人生楽しかったか?
   (老人):ああ…私の人生は心の底から1mmも悔いがないと断言出来る…。
(死神):悔いがない?
   (老人):そうだ、仕事は定年まで精一杯勤め上げて来れたし…。
(死神):どんな仕事やって来たんだ?
   (老人):靴下の製造メーカーに新卒から入社し、約50年間営業畑で悔いなく頑
   張ってきた…。

(死神):ほう…。
   (老人):入社後に上司の紹介で妻とも知り合い結婚して、家庭を作り、家を買
   い、家族を養い、友人関係にもとても恵まれてきた…10年前には夢だった東京マ
   ラソンにも出場できた…これ以上何も思い残す事は無い…。

(死神):そうか…。
   (老人):死神とやらよ…私はもういつ死んでもいいと本気で思っている…。
(死神):ふーん…まあそれならそれで良かったじゃねえか…。
   (老人):…私をあの世に連れて行く気がないのならとっとと帰ってくれ!
(死神):…実はな、もう一つあんたに話があって今日は来たんだ…。
   (老人):話?なんだ…?
(死神):今この病院の別の部屋で意識不明の重体で入院している、15才の男の子がいる…。
   (老人):…そうなのか…それは気の毒な事だ…。
(死神):交通事故でこの病院に担ぎ込まれたそうだ…。


   (老人):…そ、そうか…。
(死神):それで実はな、ちょっとした手違いで、その子の魂だけもう既にあの世に行っちまってて…もうこの世から、その子の魂は消えちまってるらしい…。
   (老人):何!?ちょっとした手違いって!?…どうして…そんな事が!?
(死神):それでだ、3日後のあんたの臨終の際に、俺があんたの魂をその男の子の魂の抜けた体の中に移してやる…。 
   (老人):は!?…魂を移す?
(死神):ああ、あんたは3日後からその男の子として第二の人生を生きる…この提案をしに俺は来たんだ…。
   (老人):…あっはっはっはっはっは!…(笑う)死神さん、悪いが私はその提
   案、遠慮させてもらうよ…。
(死神):何っ!?
   (老人):私は先程言った様に、1mmも悔いの無い人生を送ってきた…だからも
   う一度人生をやり直すというお主の提案には乗らん、私の人生は完璧だった…そし
   てあんたの話が本当なら3日後に完成する…死という形でな…。
(死神):それだよ、さっきも言ってたけど、俺があんたを選んだのは、あんたの死期が3日後って所だけじゃない、あんたが自分の人生に悔いが無いって思ってる点だ!
   (老人):それがどうした?素晴らしい事じゃないか。
(死神):ほんとに悔いがなければな…。
   (老人):何…?
(死神):本当に悔いが無いと100%思っているか?
   (老人):思ってるとさっきから言ってるだろ。
(死神):確かあんた奥さんと結婚する前は、誰とも付き合った事なかったよな?(持っている黒い手帳を見る)
   (老人):な、なんでそんな事知ってるんだ!
(死神):まぁ一応神だからな…。
   (老人):で…そ、それがどうした!?
(死神):浮気をした事も無い…つまり、奥さん以外の女を知らない…。
   (老人):だからそれがどうしたって言うんだ!!
(死神):たった一度の人生で、一人の女しか知らないなんてもったいないと思わないか?
   (老人):は!?そんな事はない!私は妻を生涯愛し続けた事に満足している…。
(死神):でも、奥さんと合う前に学生時代は小、中、高、と何度も別の女に一目惚れしてるよな?
   (老人):うるさい!!貴様私の個人情報を調べ過ぎだぞ!!
(死神):それで本当に悔いがないって言えんのかよじいさん…?
   (老人):死神だからって、さっきから口も悪いぞ!
(死神):今昏睡状態の少年、かなりの美形だ。
   (老人):だ、だからなんだ…。
(死神):外見だけなら30代までは確実にモテるタイプだ…。

   (老人):だからそれがなんだと言っとるんだ!
(死神):もしかしたら、アイドルや俳優だって目指せるかもしれない…わかるか?今までのモテない人生を精算して0からやり直せるんだよじいさん!
   (老人):だ、だから、やり直す必要なんて無いと言ってるだろ!!
(死神):…そうか…。
   (老人):用が済んだのならもうとっとと帰ってくれ!!
(死神):少年の親御さんなんだが…実は大手石油関連企業の会長さんでね…。
   (老人):だから説明しなくていい!

(死神):まあ、簡単に言うと超大金持ちのボンボンって事だ。
   (老人):だからなんだ!
(死神):あんたが行けなかった大学や海外への留学、プロスポーツ選手を視野に入れた特別な英才教育だって簡単に出来る。
   (老人):それがどうした!
(死神):東京マラソンどころか世界中でトライアスロンだって出来る…。

   (老人):わしは東京マラソンだけで十分満足している!
(死神):嘘をつくな!
   (老人):嘘じゃない!
(死神):でもそれは今までの話であって、選択肢の中で選べる今ならやってみたいと思わないか?
   (老人):お、思わない…私はもう、自分の人生に…心から満足しているんだ…。
(死神):靴下の営業かなんか知らないけど、あんたが一生をかけた冴えない仕事を精算して、0からやり直せるんだよ!

   (老人):何が冴えない仕事だ!貴様ほんとに無礼だぞ!
(死神):…まぁ今のは済まなかった…確かに靴下の営業は素晴らしい仕事だと思うけど…でも一度でも思わなかったか?この仕事を選んでなかったら、他にどんな仕事をしていたんだろうって…。
   (老人):そんな風に思った事は無い!
(死神):おいおい嘘だろ、あんた3日後には死ぬんだぜ?そろそろ本音で行こうぜ!
   (老人):だから思った事など無いと本音で言っているんだ!
(死神):スポーツ選手、医者、弁護士、政治家、高級官僚、経営者、科学者、まだ15だ、あんたが本気で望めば何にだってなれる…。
   (老人):…何にだって?
(死神):そうだ!それにあんたが希望すれば、これまで生きてきた記憶をそのまま残して移してやることも出来る。
   (老人):…そんな事も出来るのか!?
(死神):ああ出来る、80年間生きて来た無駄な経験を、そっくりそのまま第2の人生で活かせるんだ!
   (老人):無駄とはなんだ!
(死神):ああすまない、でもどうだちょっと迷って来ただろ?
   (老人):そんな事は無い!私は後悔など1mmもしていないのだから!本当に幸
   福な80年間だった!
(死神):ならはっきり言っとくけどな、あんたの人生は大して幸福なんかじゃないんだ、それは幸福度指数で既に出ている!
   (老人):幸福度指数!?
(死神):ああ、詳しくは見せれないが、平均値が100だとすると、まああんたは45くらいだ。
   (老人):平均以下じゃないか!?

(死神):幸福度指数は、例えばやりがいとか、感動とか安心感とか、何かに対しての愛おしいさとか、そう言った人生で湧く全ての幸福な感情を数値化して全て出している。
   (老人):そんな…。
(死神):ちなみにあのガンジーは3000を超える…。
   (老人):さ、3000…!?

(死神):それに比べたらあんたのは、振り幅が小さいっていうかなんていうか…。
   (老人):何だと!?貴様よくも私の人生を…本当に何を言っているか分かってる
   のか!
(死神):あんたは他人の人生を知らないだけで、たいして幸福なんかじゃない…。
   (老人):うるさい!私の人生は確かに幸福だったんだ!!
(死神):だから違うって!あんたが汗水流して外回りしている間に、旨い酒とうまい飯に囲まれて、毎晩飲み明かしてる人間だっているって事だ!

   (老人):うるさい!旨い酒とうまい飯といい女がなんだ!
(死神):いい女は言ってない…。
   (老人):ああそうか…でもそんな物だって食べ続ければいずれ飽きるし、健康に
   だってきっと良くない筈だ!
(死神):あんたが取引先にペコペコ頭下げてる間に、国際問題を解決している人間だっている…。

   (老人):…くっ!
(死神):あんたが気に入った鞄や時計や靴を買おうか悩んでる間に、毎晩カジノで何千万も賭けてる人間だっている…。

   (老人):…私はギャンブルはしない!!
(死神):あんたがつつましやかな温泉旅行を計画している間に、宇宙旅行を計画している人間だっている…。

   (老人):…ぐっ!
(死神):どうだ?考えは変わったか?
   (老人):そんな事言うなよ…。
(死神):…ん?
   (老人):今さら!!そんな事言うなよ!!!
(死神):えっ…!?
   (老人):私の人生はお前が来るまで十分幸せだったんだ!それで良かったじゃ
   ないか!!どうして最後の最後にもっと別の幸せがある、別の人生があったなんて
   教えて来るんだよ!!!
(死神):だから俺はあんたに別の人生を歩ませてやろうとして…。
   (老人):なんでせっかく気持ちよく温泉に浸かってたのに、もっと肩まで浸かっ
   た方が気持ちいいよって、無理やり沈めて浸からそうとする様な事するんだよ!
え…!?
   (老人):そもそも本当に後悔の無い人生を歩んでる人間なんているのか!?皆そ
   れぞれ人生に見切りを付けて、割り切って、必死で自分を納得させて、そうやって
   生きてるんじゃないのか!?どうなんだよ死神!!
(死神):…すまなかった(土下座する)…俺だって別に、無駄にあんたを迷わす気は無かったんだ…ゆるしてくれ…。
   (老人): …なんだ急に?
(死神):実は昏睡状態の少年の魂を見失っちまったのはこの俺なんだよ…。
   (老人):…どういう事だ!?
(死神):交通事故でその少年は意識不明の重体になっちまったんだ…怪我は大した事無かったんだが、意識を失った際に魂がどっかに飛んで行っちまって…今回はたまたまその場所が俺の担当エリアだったってことさ…。

   (老人):そ、そんな事よく起こるのか!?
(死神):いや、100年に一度あるかないからしい…。
   (老人):致命的ミスじゃないか!!
(死神):俺はこれからもあの子の魂を探し続ける、そして必ず見つけ出す!でももう分かるだろ…その前に少年の体が焼かれちまったらおしまいなんだ!だから…あんたにその体に入って少年の魂が戻るまで、体を守ってて欲しいんだ!何年でも何十年でも…どうだ…だめか?
   (老人):……もうわかったよ…そう言う事なら人助けと思って協力してやる…。
(死神):そ、そうか!?ほ、ほんとか!?良かった!ほんとに…本当にありがとう!!(老人の手を取る)
   (老人):まあ、もういいって。
(死神):もし少年の魂が見つかったら、あんたの魂は俺が責任を持って、地獄へ連れてくから!
   (老人):…いやそこは天国だろ!!!




終わり。